ものづくりのまち、すみだ区の魅力を発信する【すみだモダン】プロジェクトレポート

墨田区は、SDGsを推進する地域産業の“最先端の下町”としてオープンイノベーションシティのプロトタイプとなるべく、2021年9月、区の更なる産業振興・地域活性を目的として2009年に提言し、これまで12年に亘って続けてきた「すみだ地域ブランド戦略」のリニューアルを行いました。

qutoriが行ったこと

1.墨田区の魅力を掘り下げるワークショップ
2.「すみだ地域ブランド戦略(すみだモダン)」報道関係者向け発表会
3.錦糸町PARCOでのポップアップストアの企画・実施

■事業背景と目的について

2011年から「すみだモダン」という地域ブランドの認証事業をスタートし、これまでの10年間で一定の成果をあげてきました。しかし一方で、COVID-19の影響を受け、インバウンド向けの施策が滞り、新たな形での発信を模索しています。そのなかで2021年に「すみだモダン」のリニューアルを図り、ものづくりに関わる「働き方」「暮らし方」、そしてまちづくりを含めたすみだモデルを確立し、世界標準を目指すことを決めました。リニューアルにあたっては、VIを刷新し、10年間の取り組みをまとめたブランドブックを作成しました。

本プロジェクトでは、「すみだモダン」の認知度向上、墨田区民および関係人口のシティプライド醸成、関係事業者のコミュニティ構築を目指して、ポップアップに関連する体験および参加者とのコミュニケーションの方向性、PR戦略を明示し、実現に向けたクリエイティブ制作を実施。「すみだモダン」のリニューアルを発信し認知度が向上すること、多くの区民や関係事業者が来場し関係性の価値が高まること、商品・食品だけでない多様なブランド認証のあり方を見せることを目標としています。

■「創る」「繋がる」「発する」の3つの領域からアプローチ

より区民や関係人口に目を向け、「創る」「繋がる」「発する」の3つの領域からアプローチを提案しました。特に「発する」の視点からは、これまで行政的な発信に留まってきたすみだモダンを、商業施設でのポップアップの形で新鮮かつ、区民のシティプライドを刺激する形で実施するために、ポップアップのノウハウが豊富であるという観点から墨田区よりご依頼を受け、企画提案を行いました。また、2021年5月に内閣府の選定する「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定され、産業振興を軸としたプロトタイプ実装都市を目指しています。

1.墨田区の魅力掘り下げるワークショップを開催

SHOP&WORKSHOPすみずみ

開催概要
●日時:2021年7月5日(月)13:30〜16:30
●場所:SHOP&WORKSHOPすみずみ
●参加者数:11名
●目的:ポップアップの実施内容の発想/目標設定

[討議内容]
・現在のすみだモダンの課題点
・理想のすみだモダンのイメージ像の言語化
・ポップアップのコンセプト/開催目的
・事前リサーチ 共有
・競合調査・トレンド調査
・ディスカッション
「すみだモダンを例えたら」事前課題の発表(ファシリテーター:加藤)
ポストイットでアイデア出し
現在のすみだモダンのイメージ像洗い出し
・総評
ポップアップ開催の位置付け/展示内容の確認

墨田区役所にて
日時:2021年7月24日(月)10:00〜12:00
場所:墨田区役所
参加者数:8名
目的:ワークショップ
・すみだモダン商品を知る
・ポップアップでの展示内容選定(ファシリテーター:加藤)
・ポストイッドでアイデア出し
・すみだモダン商品紹介
・墨田区より説明
・展示内容アイデア出し

2.記者発表会の実施

【開催概要】

●日時:2021年9月14日(火)14:00~15:00 
●プログラム
・墨田区長 山本亨 挨拶
・すみだ地域ブランド推進協議会理事長 水野誠一 挨拶
・新ロゴおよびステートメント発表、プロモーション映像公開
・「すみだモダン」概要説明&協議会新体制のご紹介
・トークショー:コロナ禍における地域のブランド戦略について
・質疑応答

[登壇者](当時)
・墨田区長 山本亨 氏
・すみだ地域ブランド推進協議会理事長 水野 誠一 氏
・墨田区産業振興課 瀬戸正徳 氏
・廣村デザイン事務所 廣村正彰 氏
・すみだ地域ブランド推進協議会理事 
 すみだモダンフラッグシップ商品開発クリエイティブディレクター 廣田尚子 氏
・すみだ地域ブランド推進協議会 田中一雄 氏
・アサヒグループホールディングス 高森 氏
・ヒロカワ製靴 代表取締役社長 廣川 氏
・山口産業株式会社 山口 氏
・ホリゾン株式会社 杉山 氏

3.ポップアップイベントの開催

ポップアップストアではこれまでのすみだモダンを象徴する『モノ(「すみだモダン」認証商品)』に加え、新「すみだモダン」の理念を体現する『コト(事業者の活動)』に対する理解を深められる展示も行いました。さらに、参加型のインスタレーションを設置し、「共に創る」ことをコンセプトにコミュニケーションの拠点としても運営しました。

【開催概要】
●イベント名:すみだモダン10周年展示 New:streaming
●日程:2021年9月14日(火)~9月26日(日)
●時間:11:00~20:00
●会場:錦糸町PARCO 6階12番地
●アクセス: JR総武線 錦糸町駅南口より徒歩1分または東京メトロ半蔵門線 錦糸町駅2番出口すぐ
●主催:墨田区、すみだ地域ブランド推進協議会
●協力:株式会社パルコ 錦糸町店、株式会社東京楽天地

■新「すみだモダン」ロゴマークや第1弾すみだモダンブルーパートナー5つの活動を紹介する展示

ロゴマークは、隅田川の流れと墨田区の「S」を表し、緩やかな曲線と勢いのある先端は「ものづくりの原点と新しい未来への挑戦」を意味しています。手掛けたのは、「東京2020スポーツピクトグラム」の開発者の一人である、廣村正彰さんです。「こころ、ゆさぶる」という言葉は、区内にある三井広告事務所の三井浩さんと三井千賀子さんが制作しました。「ものづくりは未来づくりであり、こころを動かすもの」という意味が込められています。

■「日常に溶け込む商品」をテーマに、過去10年間で約200件に上るすみだモダン認証商品のうち18点を販売

過去10年間で約200件に上るすみだモダン認証商品のなかから、日常に溶け込む商品をテーマに、約18点が販売されています。これまで、各種催事や展示会等では販売がされてきましたが、今回のポップアップでは、区民の生活拠点であり、区外・都外の人々も訪れる錦糸町PARCOにて行うことで、より多くの方たちに「すみだモダンのある生活」を実感してもらいたいという願いが込められています。

”最先端の下町”のブランドブック「SUMIDAMODERN」

ブランドブック「SUMIDAMODERN」とは、これまでのすみだ地域ブランド戦略の10年の歩みと未来を記した書籍です。ブランドブックが何十冊も積み重ねられていて一つの展示物として並べられていました。「手仕事から宇宙開発まで、”最先端の下町”のつくり方」と題したコンセプト展示が行われました。

■参加型の体験ブースも

あなたにとってすみだモダンとは?」という問いかけに対して、当てはまると思うものに糸を貼る、参加型の展示も。参加するごとに糸が何重にも重なって張り巡らされていき、来場者の考えが反映されていくインタラクティブな展示となりました。

■プロジェクトの成果

墨田区の魅力や技術力を訴求するクリエイティブディレクションを行うことでイベントには多くの方が訪れ、また参加者からの満足度、推奨度も高評価を得ることができました。

その他メディアへの掲載(主要全国紙、AXISなどのクリエイティブ専門媒体、東京新聞など地域媒体)やSNSでのCGMにより多くの方に認知していただいています。

そして、自治体や事業所、墨田区の方々を巻き込む形でそれぞれが主体となることで、今後のすみだ地域ブランド戦略のリニューアル展開のきっかけになりました。


イベントレポートの詳細はこちら:https://www.popap.biz/magazine/10newstreamingparco

qutoriへのお問い合わせはこちら:https://qutori.jp/contact

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