Art Works & Program
PV.04-101
私が不安に揺れ、迷いの中で立ち尽くすこと。それは、決して私だけではないのかもしれない。他者の体温に惑わされるたび、私は自分という輪郭を見失う。 私の決断の一つひとつは、果たしてどこへ私を導くのだろうか。その先のビジョンが見えぬまま、私はただ蠢き、足元の地を探る。 本作は、人生の転換点に立つ20代後半から30代前半の苦悩や不安、新たな決断を迫られる時期を象徴する「クォーターライフクライシス」をテーマに、公募で選ばれた10名の表現者たちとともに、8回にわたるクリエーションワークショップを通じて創作されました。
[参加出演]
佐藤澪
田代 一裕
原 知里
宮﨑花梨
江川 未彩
浦島優奈
佐藤実祐
三宅もめん
米須 香音
奥村萌依
Keisuke Sugawara
1991年東京生まれ。ベルリン在住のパフォーミングアーティスト兼振付家。身体的なアプローチを重視しつつ、観客が空間全体を体験できる構造を取り入れた作品を特徴とする。2017年の渡独以降、「自己のあり方と他者との関係性」を創作の主なテーマとし、精力的に作品制作を続ける。作品は、ドイツ、デンマーク、エストニアなどの欧州諸国および日本で公演され、高い評価を得る。また、リトアニア、イラクの国際フェスティバルへの招致実績有り。
Unobtrusive Mapping
東京の主要エリアには、多くの人々を引きつけるランドマークが点在しています。しかし、その周辺には、それぞれの地域性が静かに息づく、隠れた魅力が潜んでいます。日の当たらない路地、風化した建物、無数の看板――これらの一見些細な存在も、その場所だからこそ宿る特別な価値を秘めているのではないでしょうか? 本作では、銀座を4つの区画に分け、フィールドワークを通じて得た視覚と聴覚の表現を重ね合わせ、銀座の地図を再解釈しました。注目されにくい情報に光を当て、それを音と写真と言葉で描き出すことで、銀座という街の新たな側面を探ります。4箇所から響くサウンドスケープが一定の間隔で変化し、鑑賞者に各区画を巡っているかのような体験を提供します。
Keisuke Sugawara
Tatsumi Ryusui
愛媛県松山市生まれ。ノイズ、アンビエント奏者。10歳よりギターを始め、2009年よりベルリンに拠点を移す。欧州を中心に各国で演奏し、2012年にアイスランドSkagaströnd Artist Residencyに選ばれる。ドイツ、ポーランド、フランスなどのフェスティバルに出演し、2018年には二十一世紀美術館のプログラムに参加。ソロ活動と並行しながら、舞台オペラ音楽なども担当。ギターとエフェクターを使いノイズ空間を作り出す音楽家。
『Unobtrusive Mapping』に音楽で参加。
矢島美保
岩手県出身。東京に拠点を置く映像作家兼写真家。 ニューヨークのICPで写真や映像の勉強しながら、フリーランサーとしてダンス映像やショートフィルム、 ドキュメンタリー作品などを中心に撮影、プロジェ クトに参加する。 2018年に日本に帰国。 彼女の関心はストリート写真に広がる。
『Unobtrusive Mapping』に写真で参加。
河村実月
1991年仙台出身、都内在住。文藝誌「園」主宰。詩の発表やZINEの制作、
エッセイ・コラムなどの寄稿を行う。王子神谷に展示スペース「居間」を
ひらき、展示やイベントを開催。現在はスペースを閉じ、文筆業に加えて
同名義で居間にあったらうれしいもの(古道具や古本)を販売している。
『Unobtrusive Mapping』にテキストで参加。
《Blue》- 柴田まお
柴田まお
1998年横浜生まれ。2022年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。2024年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。現代で多様化する人と人の繋がりや、その中で生まれる「コミュニケーションの在り方」をテーマに、彫刻やインスタレーションを発表する。 主な展示に、2019-2024「極寒芸術祭Teshikaga」/ 北海道・弟子屈町、2024「ソノ アイダ#TOKYO MIDTOWN AWARD 第4期」/東京・日本橋、2023「六甲ミーツ・アート芸術散歩 2023 beyond」/ 兵庫・六甲山、2023「多層世界とリアリティのよりどころ」/ 東京・ NTT インターコミュニケーション・センター [ICC]、2023「RECONSIDER/ 考え直しなさい」/ 大阪 Marco gallery など
Blue
会場に置かれた青い造形物。それをリアルタイムで画面上に映し出し、 ブルーバックを利用したクロマキー合成を行う。 青い作品はカメラの前を通り過ぎる人々と共に、クロマキー合成を施された映像として、リアルタイムでモニターに映し出され、 そこには現実とは異なる姿が現れる。 Covid-19により、表現の場が今までのように行われづらくなってしまった環境に於いて、 作品の物体としての存在はどうなってしまうのか。 画面上では見ることはできな いが、足を運ぶことにより見ることの出来るインスタレーションを構成する。
《ホットハウス》- がらんどう
がらんどう
2023年より活動を始め、過去2回の主催公演や豊岡演劇祭2024フリンジへの作品出展などをする。 主催の青柳を軸に、アートの文脈においてダンスを選択する理由を模索し、多様な解釈のできる余白のある造りをベースに観客とのコミュニケーションを様々なアプローチで行う。 身体ボキャブラリーや身体能力を活かしつつ、その身体をコンセプトに落とし込むことで、ダンスとしての説得力を持つ表現に到達させる。 団体としては、ダンスに馴染みない人への架け橋になれるよう全国47都道府県での作品上演を目指している。
主宰 青柳潤
ホットハウス
大枠として地球温暖化について考える作品を目指す。直接的に温室効果ガスについて触れるわけではないが、そこをファンタジーとしてぼかしつつも、今起こりかけていることとして取り扱いたい。 ホットハウスとは温室化という意味。地球が熱い部屋となって、人の所在を遠ざける状態。確実に近づいている自然の脅威に対して、作品として見るか、当事者として見るかを問いかける。 また、現状踊りによる身体表現は昔ほど身体から湧き起こる何かの下に動く機会が少ない。しかし世界レベルの自然現象に対して人類の文明が超えられないものが襲いかかってきた時、私達は頼るものを失い、自分自身の身体に辿り着くと仮定する。そこで我々は初めて心からの祈りを通して踊ることに全霊を注ぐ。 今回の企画では、その身体が踊らざるを得ない状況を区切られたパフォーマンスという枠組みの中でどう作れるか、という点と、 文明や知恵はシンクロニシティを遠ざけようと発展してきたが、その人類の武器が「自然」によって取り上げられた時、我々が信じられるものは偶然や奇跡の類のものとなる。なんにでも意味のある繋がりを求めすぎず、線になるかも分からない点を打ち続けることでどこかで繋がる瞬間があると、我々は自身の身体をもって証明する。
大西優里亜
3歳よりシアタージャズダンスを始め、
日本大学芸術学部入学と同時にコンテンポラリーダンスと出会う。卒業後は自身の創作活動を中心に、様々な振付家の作品に出演。2023年「ヨコハマダンスコレクション コンペティションⅡ」にファイナリストとして自身のソロ作品を出展。 「第81回全国舞踊コンクール創作舞踊部門」にて第一位、並びに文部科学大臣賞、「選抜新人舞踊公演2024」にて新人賞を受賞。 また自身の創作プロセスをより具現化していくため、プロジェクト「SR/Yuria Onishi」を2024年に設立。
武藤大成
2003年埼玉に生まれ、今日までダンサーとして活動を続けている。 幼少期にジャズダンスを始め、高校進学後クラシックバレエ、日本舞踊などを学ぶ。 ストリートジャンルも独学で研究し、現在日本大学芸術学部にてコンテンポラリーダンスとフリースタイルを中心とした舞踊作品を創作している。
岸本茉夕
幼少より地元のモダンバレエ教室で踊りをはじめる。高校で創作ダンスを経験し、作品をつくる楽しさを知る。大学でコンテンポラリーダンスに出逢う。声も身体のひとつと捉え、演劇や他者に興味を抱く。22歳、自主企画の公演として『アンダーカレント』を発表。 桜美林大学芸術文化学群卒業。在学中は、コンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に学ぶ。 根底に確かに在る感覚に着目し、作品を通じて自分と自分の架け橋、そして自分と他者との架け橋をつくっていきたいと様々な活動を続けて現在に至る。
古瀬望
5歳よりクラシックバレエを始め、田中祐子に師事。現在は日本大学芸術学部に在学中。 日本バレエ協会主催公演にてソリストとして出演するなど、クラシックバレエ、コンテンポラリーダンスを中心に様々な舞台に出演している。また、創作活動にも力を入れ、2024年に自身が中心となり発足したダンスグループ「夜明けのトリ」にて作品出展を行う。
Dance Well
《Dance Well》- 酒井直之
美術館や自然の中など、芸術的空間で行われるパーキンソン病と共に生きる方々を主な対象としたダンス芸術活動です。子どもから大人まで、年齢やダンス経験を問わずどなたでも参加できます。2013年にイタリアのバッサーノ・デル・グラッパで誕生し、現在では日本でも活動が行われています。
酒井直之
ダンサー。映像作家。東京藝術大学大学院修了。
文化庁「新進芸術家海外研修制度」研修員として渡伊。
パーキンソン病と共に生きる人々との芸術活動「Dance Well」講師。 国内を始め、欧州、中東、アジア諸国での舞台公演に多数出演のほか、RADWIMPSのライブ、森七菜のMV等のメディア出演、ミュージカルへの振付提供等を行う。 春日部市を拠点に芸術によるまちづくりを目的としたイベント開催、映像制作、ワークショップ等を展開。
「おかえりかすかべ音頭」で藝大アートフェス<グランプリ>受賞。
長澤あゆみ
アシスタント 2日目に出演予定
There is a world of difference
between knowing and doing
ポスト・モダンダンス世代のアメリカのダンサー、イヴォンヌ・レイナーが手がけた詩集に収められている「The world upside down」という詩は、" 世界がまるで天と地がひっくり返ったよう" という表現や、" 慈悲の気持ちはどこにあるのか" という問いを投げかけている。 この詩が具体的に何を語っているのかは不明だが、この詩を" 知ることと実際に行動することには天と地ほどの差がある" と新たに解釈し、パフォーマンスを制作した。 詩集自体は1990 年代後半に書かれたものであり、イヴォンヌ・レイナーがアメリカを拠点にしていたことを考慮すると、「The world upside down」は9.11 の同時多発テロの悲劇を目の当たりにして書かれた可能性も考えられます。明日がどうなるか分からないこの世界で、私たちはどのように振る舞い、生きていくことができるのでしょうか。
《There is a world of difference between knowing and doing》- 豊田ゆり佳
豊田ゆり佳
4歳よりクラシックバレエを始める。 2021年3月 立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。 2021年4月 東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻入学。 2023年9月 パリ国立高等美術学校(École nationale supérieure des beaux-arts)に交換留学。
[参加出演]
石川朝日
Dan Dagondon
tokinone
時間の中に所在を探しその場で開かれながら遠ざかるダンス。2024年1月に発生した能登半島地震の後に被災地を訪れ制作を開始した新作ソロ。 被災地で目にしたのは復興の進まない時間の止まった町の姿でした。
人間が生きる環境(造形を持つもの以外)で均衡の欠如に希望や絶望、欲望が生まれるとすれば人間の心揺らぐ要因のひとつには時間も関係しているのでは無いでしょうか。本作では時間感覚の差異に着目。静けさに身を置いて時の過ごし方を探し、「無い」ものを追ってひとつひとつリズムを積み上げます。
《tokinone》- 山岸詩音
山岸詩音
石川県生まれ。幼少より踊り、幅広く踊りの文化や作法を学ぶ
中で培った自由さと静謐さを持つ身体言語を主とする。
クラシックバレエ国内コンクール入賞歴あり。大学時代木佐貫邦子にコンテンポラリーダンスを享受。以後ダンサー・パフォーマーとして舞台・映像媒体へ出演。 現在ダンサー活動と並行して自身の創作活動にも注力。人間の根底にある内奥から生まれる踊りを探り、舞台空間で鑑賞者の身体感覚に変化をもたらすリズムと動きを他者との関わりをもって実験。想像世界を写す作品は独自の色を放つ。
ROUTE_
《ROUTE_》- 髙瑞貴
髙瑞貴
即興と意志への着目から独自の身体表現にアプローチし、創作の視点を追求する。
ソロダンス「doldrums(2021)」は日本・エストニア・韓国・スペインカナリア諸島・ポーランド・マカオ・香港にて上演される。自身の企画「Why Don’t You Dance?(2022)」はカフェムリウイにて隔月開催。
堀之内真平と協働するROOT Projectは「ROUTE_X(2024)」をシアターX にて企画主催、「GO FOR KOGEI(2024)」オープニングアクトへの招聘等、活発に進行中。
《pressure-pleasure》- 今宿未悠
今宿未悠
2000年、東京都生まれ。詩とパフォーマンスアートの領域を往還する。 自分のソリッドな輪郭を揺さぶってとかして他者や他物と関係を結びあい、あたらしい知覚、思考、行為に遭遇するために、装置や状況を作りそれらに巻き込まれるような身体的実践を行う。実践によって遭遇した知覚、思考、行為を記憶し、再構成し、更新するために、詩を書くことを試みている。主な受賞に、第一回西脇順三郎賞新人賞、主な出版物に、詩集『還るためのプラクティス』(七月堂)がある。
pressure-pleasure
Pressure-Pleasureは、圧の交換を通じて快楽と安心感を共有する体験装置である。 本作品では、二人の参加者がそれぞれ圧縮袋に入り、互いの呼吸に応じて圧迫感を感じる仕組みを体験する。マッサージにみられるように、元来、身体への圧は身体的・心理的な快感や安心感をもたらす。本作品は、現代都市生活が抱える『自己の輪郭の不安定さ』やそこから派生する病理への応答として設計される。感覚統合療法や皮膚感覚の研究を参考に、フェティシズムやケアの視点を取り入れることで、圧の快楽を共有し合う新しいコミュニケーションの形態を提案する。
Ami Matsumura
1997年生まれ、神戸市在住 K★BALLET STUDIOにて、バレエとコンテンポラリーダンスを始める。 2019 シビウ国際演劇祭や欧州文化首都で活動。ダンスの祭典でのアシスタントやCO-LABダンサーリサーチプログラムに参加。 2020 同志社大学卒業 2020-2024 Ensemble Sonneに所属。クルトヨースメソッドを学び作品に出演。主な出演作に『緑のテーブル2017』等。バレエ講師として振付や指導にあたる。 2022 個展 “Love Letter”を開催 2024 ドイツのT.A.N.Z. Braunshweigにてアーティストインレジデンス、ショーイングを行う。ダンス、写真、執筆、モデルなど様々な媒体で表現の探求を続ける。
Roots of the Sky
からだの中に 明けることのない夜があり 眼はそれ故にみはられる
からだの中に ころがってゆく石があり 足はそれ故に立ちどまる
からだの中に ああからだの中に 私をあなたにむすぶ血と肉があり
人はそれ故にこんなにも ひとりひとりだ
- 谷川俊太郎『からだの中に』より抜粋 -
この詩と出会い、共生をテーマに創作しました。
《紐づく》- 中島啓之介
中島啓之介
2000年東京都生まれ。立教大学経営学部卒業。
投資会社・スタートアップ企業でマーケティングに携わる。
2024年より内田デザイン研究所に所属。
インテリアデザインを中心に、家具、服飾などのフィジカルなメディアの
デザインに興味を持つ。
紐づく
無作為に持ち込まれたアートブックが並ぶ読書エリアです。 参加者は本を読みながら自己の記憶や経験との関連性を発見し、新しい発想を生み出します。 アルゴリズムベースで資料やアイデアを探す昨今の潮流とは逆の試みである本企画では、本の内容を参加者それぞれの記憶に紐づけ、それをオリジナルのレビューとして共有します。
《Icon》- rina ohmoto
rina ohmoto
1994年兵庫県生まれ 自身が2018年から行っているプロジェクトVagueを軸に展示を行なっている。 このプロジェクトは物事の境界線が空間認識として曖昧であるという考えから始まる。 身体と精神の境界線や、自らの身体と他人の身体の境界線、ジェンダーやナショナリティなど、揺らぎや定義しきれないものについて表現している。それらは流動的であり、不変なものではない。また一方で、その曖昧な存在を立ち止まり目を向け、よく観察することが必要だ。
Icon
頭の中にぼんやりとあるその人の形 身体にふれた感触、温度や振動、においなど、現実は時間と共に変化する。 身体は変化し続け、そしてそれは徐々に変わったり突然変わったりもする 気づくこともあるし気づかないこともある、故意に変えることもできる。 今その瞬間に身体がどう在るのか、この作業は自身の心と体に対して更に対峙することにもなった。
福永将也
高校でストリートダンスを始め、大学で情報学を専攻しながら舞台芸術としてのダンスに触れる。現在はダンス、パフォーマンス作品の制作、舞台照明、写真の活動を行う。 出演者としては、穂の国とよはし芸術劇場PLATダンスレジデンス、豊岡演劇祭フリンジショーケースなどで宮悠介作品に出演。 人々が一つの空間に集まり、誰かの身体をみる時間を過ごすことに興味を持ち、あらゆるメディアによって発生する仕組みを捉え直すことを手掛かりとし、分野横断的な活動を行う。 筑波大学情報学群情報メディア創成学類卒業。
Contact Shots
まずは、眼前に映る自分の身体をみることにする。 外からの眼差しは常に注がれ続ける。 それを断ち切るように、消費されないように絶えず接触する。 どこかで鳴るシャッター音に対して、どのような態度でいるか。我々の身体がどのように他者の目に届き、情報の貯蔵庫に保存されるか。共有されるデータベース。 瞑想的に時間を過ごし、ノックし続けた壁の隙間からあなたの網膜にアクセスする瞬間を待つのみである。
ii eat
ii eat(イ―イート)は食べるをデザインするフードユニットです。 “Eat like a journey”をモットーに、 好奇心や新しい感覚に出会う”食べる”をデザインし、 自然とカルチャーをつなぐ食体験をつくります。 モノやコトがあふれる今の世の中で食べることを大切にしたい。 東京を拠点に各地でポップアップイベントを開催しながら、 フードジャーナルやプロダクトの制作、食イベントのディレクションなど、食にまつわる様々な活動を行います。
iieatな風景
食べるものが、いつでもどこでも溢れる時代。 簡単に手にできるからこそ、何を選びどうやって食べるのかについて、 今一度、考えることは大切なことではないか。 食べることは人にとって生きる根源であると同時に 好奇心や感覚に触れる時間になり得る。 時代に応じて、「おいしさ」「よい」といった価値観は変化する中で、 「”いい”食べる(選択)」って何だろうか。 心から好いと思える選択、 身のまわりの人にとって良いと思える選択、 社会にとって善い選択。 多様な食の価値観を知り、肯定しながら、 自分たちなりの、よい食(=ii eat)を探究していきたい。 2024年3月、原宿・キャットストリートに自生する植物を収穫し 和菓子にして味わうワークショップを開催した。 本展示は、そこでのリサーチを再編集したものである。 世界各地に目を向けると、食への提言をアート、デザインとで発信するムーブメントがある。展示を通して、食と消費のあり方を再考し、土地や文化といった”文脈”を感じる契機となれば幸いである。 見えにくくなっている食の風景、お皿の向こうに広がるフードスケープをお楽しみください。 ワークショップでは、植物や、和菓子の文化、味や香りのノートなどをもとに、 Plants-Wagashiを想像して作ってみるワークに参加してもらえます。
Walm
Ayumi Nakamuraによるソロプロジェクト。 洗練されたフォークを軸に、インディーロック・オルタナティブ・アンビエント・エレクトロの要素が丁寧に織り込まれている。 素朴だが鋭い視点から世界を眺める歌、流れるリズム、ダイナミックな展開に誘われ、リスナーはWalmの音楽に心地よく身を任せることになる。 POINT HOPE / The Chimney Sweeper のバンドメンバーであり、プロデューサー / レコーディングエンジニアとしても様々なアーティストの制作に参加している。
songs for synchronicity
今回のテーマ"synchronicity"や会場の空気、そして今世界で「同時多発的に」起きている事柄からインスピレーションを受け、既発表曲のリアレンジバージョンと新曲を演奏します。 また、従来の音楽ライブにおける「ステージ」と「客席」の一対一構造を抜け出した自由な空間・音響配置を試みます。
《drowing:uneune》- 田附希恵
田附希恵
東京生まれ。2020年女子美術大学大学院 立体芸術研究領域 修了 彫刻でありながらドローイングを主題として制作する。工業製品である鋼鉄の棒材を、熱を入れる、打つ、溶かすなどを組み合わせて自分の手垢のついた線に変えてから、空間に描く。人類が誕生した原初からある絵を描くという行動にいかに新しい表現で挑めるかを試している。
drowing:uneune
畑の”畝”からできたオノマトペ、うねうね。 その言葉が表すのは形、リズム、動き、流れ。 この空間にあられ、温度や重さを持ったうねうねはこちらに何を伝えているのでしょうか。
《to You》- 岩田奈津季
岩田奈津季
2002年千葉県流山市生まれ流山育ち。立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。砂連尾理に師事し、ダンスなどを学ぶ。 身体の特性や社会構造の持つ「どうしようもなさ」に向き合い、それと共に踊り続けていくことを目指している。「相手事」という概念を軸に、人と対話を重ね、言葉を共有することで、人、物、音、空間との関係性を組み立てている。 千葉県アーティスト・フォローアップ第1期生。
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[参加出演]
小嶋遼平
谷澤巴菜
to You
2023年に上演した《You to You》の再演として本作品を上演する。前作では共通認識として「常に相手と向き合い続ける」ことがあったが、本作では「相手事」という概念をメンバーそれぞれが再解釈し、自己の存在に焦点を当てた「相手事」をふるまう。自己と他者という存在が相手という関係になる場を立ち上げたいと思う。
《Resonant》- 樋笠理子
樋笠理子
人や取り巻く環境から誘われるように踊りは現れるのではないかという視点から創作活動を行う。2024年に公演『Chiasmus 』を開催、坂田尚也と身体によるコミュニケーションから生まれる踊りに着目した作品を発表。 学校や福祉施設でのアウトリーチ活動、異なるジャンルのアーティストとの協働など、人との関わりを大切に創ることを続けている。 橘バレヱ学校、法政大学哲学科を卒業。Budapest Dance Theatreにて研修。 西島数博、Mehmet Balkan、JUNKO KOSHINOショー等出演。YGP振付作品受賞。
Resonant
取手があるから扉を開ける、右手を出されたら握手をする、というように、その動作が状況や人によって無自覚に導かれているとすれば、それ以外の多様な動きを追求することも振付の可能性の一つと考える。実際、我々はどんな時代や場所においても身の回りで起こる様々な事柄から直接的に影響を受けたり、暗黙理に身体が動かされている経験をもつが、今回はそうした我々の相互の影響からの"共鳴"をテーマに、坂田尚也とコンタクトを主軸に踊り、さらには演奏される音楽と空間を共存することで現れる様々な身体性を顕にする。
坂田尚也
高校よりストリートダンスを始め上京後に様々なダンスに出会う。2018年までNoism1に所属。国内はもとより韓国や中国(香港、上海、杭州)、ルーマニア(ブカレスト、シビウ)などツアーに参加。退団後は自身の舞台活動に加え作品提供、専門学校やバレエ団アカデミーにて後進の指導にもあたる。現在、中西涼花とユニット”Triangle.”を立ち上げ、ソウル、ワシントンなどのフェスティバルから招聘を受け作品を上演、CITY DANCE FESTIVALにてChoreography Award受賞。
小栗舞花
1998年東京生まれ。作曲家兼パフォーマー。自らの実践や想像から生まれる「人が音を鳴らしているという現象」を拾い上げ、音そのものではなく、人の発音動作や内的時間を基盤とした独自の譜面を書き起こす。「人が音を鳴らすこと」と密接に結びついたアフォーダンスの集積のような音楽世界は、自らが愛する微音や暗がりとともに立ち上がり、そこでは人の気配までもが音楽の一部として取り込まれる。近年は複数人での共創的な営みにおけるクリエイティビティに関心があり、様々な表現者と即興や共作の活動を展開している。
共作プロジェクト緒
作曲家は、「1人で」黙々と曲を書いている―そんなイメージを覆すべく立ち上がった「共作プロジェクト緒(お)」。作曲家である小栗舞花・山田奈直を中心に、「作曲家同士が手を取り合いやすい未来を目指す」というコンセプトを掲げて活動している。個人作業と思われがちな(主に現代音楽の)作曲の過程を見つめ直し、共作を通じて豊かな創造性を引き出す場を提供すると同時に、作業を通して作曲家同士の連帯や協働可能性を模索する。結果だけではなく、作曲家同士が活き活きと音楽を立ち上げる道のりそのものの魅力も発信している。
後閑綾香
岡山出身の作曲家・エレクトーン奏者。国立音楽大学院音楽研究科博士後期課程を修了。ダンサーとのコラボレーションや演奏者の身振りをコンセプトにした作曲活動を展開し、特に演奏者とダンサーが同一舞台上に存在する作品において、新たな可能性を模索している。2016年にはホセリモン舞踊団の芸術監督であるColin Connor振付《Swerve》の音楽を担当し、2018年にはスイスのジュネーヴで自身の作品である《Nona-form Music》を上演。2019年にはベルギーの現代音楽アンサンブル「Spectra Ensemble」と共同制作を行った。また、これまでに青木尚哉、岩渕貞太、仁田晶凱、松本更紗といったダンサー達とも共同制作を行い、独自の音楽表現を追求している。
山田奈直
国立音楽大学作曲専修、大学院修士作曲専攻を首席で卒業。音楽以外のなにかから得た発想をベースに、全体音響にこだわった作品を創作しており、作品は国内外で演奏されている。パフォーマーとしては、フルクサスや図形楽譜、特殊な楽器や発声法などを使用した作品などに多数出演。2024年7月には、京都清水寺における「テリー・ライリー《In C》50周年イベント」にクラリネットで参加。現在は国立音楽大学博士後期課程に在籍。
Tanaka Kaname
1996年 大阪府生まれ 2020年 武蔵野美術大学卒業 2023年 Solo exhibition Takashi Somemiya Gallery
Image consumed
私の作品は、現代社会の日常に溢れる「消費されるモチーフ」をテーマとしています。たとえば、安売りの折込チラシや誰も気に留めない一瞬の広告など一度目にしてすぐに捨てられるもの。それらは人々の記憶に残ることなく消え去ります。この消費のスピードと軽さに、私は不安や恐れを感じています。 こうした「乱暴に使われる鋭い色や形」は、日常の中に散在し、私たちの目を刺激しながらも、同時に素早く消費されていきます。しかしそれらが確かに「ここにあった」という事実は揺るぎなく、私たちの文化や価値観を形作る一部であるともいえます。 私はそうした日常の「消費されるモチーフ」を絵画として再構築することで、新しい視点や感覚を提案したいと考えています。 例えば、三島喜美代が消費物をモチーフに作品を生み出したように、ポップアートとは異なるアプローチで現代文化を映し出す活動を続けています。この作品を通じて、普段見過ごしている日常の中に潜む新たな価値や意味を感じ取っていただけたら幸いです。
中野優太
1997年 埼玉県にて誕生
2020年 日本大学芸術学部写真学科 卒業
2024年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻 卒業 世界はあらゆる事物が事物同士との限りない相互作用・相互関係による出来事として常に流動し続けているという考えを元に、現象を通した作品制作を行なっている。また、現象を通した世界との関わりを作品制作を通して明らかにし続けることで、世界に対する眼差しを更新させていき、世界と自己が相互に構築されることを目指している。
photon
写真とアクリルを用いたブックを制作。 写真の上に一枚ずつ削ったアクリル板を積層させ、光学現象を用いてイメージを歪ませていく。積層させたアクリルをスライドさせたり、順番を組み替えたりすることで、イメージが触覚的に変化し、光そのものに触れる感覚を獲得する。 光学現象と積層させたアクリルを変化させる行為を通して、物質とイメージの関係・モノの在り方について考察する。
宮崎栞奈
Coincidence
種から育てた野菜や、草花、土など 自然から抽出した色を使って "共存"をテーマに絵を描きます。 偶然出会った、フィリピンのシンガー Reese Lansanganと共に 愛のあるあたたかな空間をお届けします。 2人の出会いはまさにsynchronicityでした。
宮崎栞奈さんの作品に出演
Reese Lansangan
Reese Lansangan is an independent pop-folk singer-songwriter, visual artist, author, and multi-awarded creative from Manila. She takes slices of life and spin them into head-bopping melodies and heartwarming confessionals. A trailblazer in the Philippine indie scene, Reese has brought her music to international shores like Japan, Singapore, New Zealand, and the USA. “A Song About Space” from her debut album “Arigato, Internet!” was chosen by NASA for their historic #LaunchAmerica campaign videos. Most recently, she appeared in a New York Times Square billboard for Spotify's Equal playlist She opened for Paramore's Tour Four and garnered praise from front woman Hayley Williams. She also opened for Oh Wonder’s Ultralife Tour in Manila, and has shared stages with artists such as The Temper Trap, LANY, Purity Ring and Explosions in the Sky. Her music has been noticed and shared by Kpop superstar TEN Lee of NCT. With her signature wit and vocal looping prowess, Reese commands the stage and connects with people who appreciate general weirdness, injected into pop earworms.
Liu Ten
I have been working under only my artist name since 2023 and present my artwork several times a year.
2023年よりアーティスト名のみで年数回、作品を発表している
CounterConcept -Ⅳ fault line
対を成す概念の断層を表現した作品 作品の中での共鳴が、観覧者とも共鳴する
The Artwork that expresses the fault lines between opposing concepts. Resonance in the artwork resonates with the spectator as well.
古川実季
1998年熊本生まれ。東京学芸大学卒業。東京藝術大学先端芸術表現専攻 修士課程修了。 2021年-2024年、東京都美術館 アートコミュニケータとして活動。 現在は、東京藝術大学の特任助手として、「ケア×アート」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクト「DOOR」に関わる。 主な制作活動として、糸を介して異なる言語を持つ他者との対話を試みる《もうひとつのことば》 など。
もうひとつのことば、そして
人と人との間に「隔たり」があるとするならば、それは何を意味するのだろうか。 本作では、様々な言語を持つ他者と向かい合い、2枚の布越しに一つの糸と針を交互に渡し合いながら、互いの姿を縫い合うという行為を通じて、言語の枠組みを再考し、他者と創造的に向き合うための新たな対話の手がかりを模索している。 今回は、2024年に糸を介した対話を通して生まれた作品《もうひとつのことば》を再構成するとともに、鑑賞者が実際に活動に参加できる空間を作ることにも試みている。 他者との隔たりを糸の重なりとして捉え対話を試みる中で、互いの目線の違いやかけた時間とともに、糸は少しずつ交錯していく。
《hidari》- 中村瑞乃
中村瑞乃
15歳よりモダンダンスを始める。加賀谷香に舞踊を師事。演劇舞台や映像クリエイター演出舞台などに出演する傍ら、二見一幸、加賀谷香、高原伸子、ハラサオリ等の作品に参加。独特の空気を纏った佇まい、発話における存在感が評価されている。「The Nights」(2019)、「インスタレーション・パフォーマンス『ふわふわのかけら』」(2023)などソロ作品を精力的に発表。記憶や時間、生と死という普遍的なテーマをもとに、自身の精神性と身体性から生まれる作品制作を行う。
hidari
「記憶」をテーマに、3名の語りてによるサウンドインスタレーションおよび中村の
ソロパフォーマンスを用いて制作された「インスタレーション・パフォーマンス『ふわふわのかけら』」(2023)。われわれにとってごく普遍的である「記憶」という活動について、音声と身体、空間構成をもとに表現した作品を、身体への可能性をより強く探究すべく、
今作では身体の力をもって再構築いたします。
《unravel》- 中島 崇
中島 崇
東京都出身。1994年、桑沢デザイン研究所 写真研究科修了。2001年ベルリンに拠点。2014年2016年、摘水軒記念文化振興財団の助成。現在は東京都在住。 大規模なインスタレーション作品を数多く制作し、その「場」に立ち会う人の間で多角的に共有される空間を通じて、互いに影響しながら密接に関わる有機的な関係性を創出してきた。透過性の素材や間隙を効果的に用いた作品は、床や壁に透過光や影を生み出し、作品空間とその周辺に広がる環境を双方向的に結び付け、観る人を没入体験へと誘う。
unravel
内容/ 関係性とケアをコンセプトに「社会の皮膚」を考えるインスタレーション作品の制作発表を続けている。コンセプトである 人.物.事.場.時 の関係性は日々目の前に無限にあり、こと都市空間においては複雑に絡み合い全ては捉えきれぬまま変容していく。その複雑な社会のうねりの中で稀に絡まりがほどける瞬間と同時に人のうちなる複雑さが稀にほどけた瞬間、この2つの点の重なりが共時性を生むのではと考察した。本作品では重なった点に注目するのではなく、重なるに至るまでのうねりやほどけを考える機会を提案する。
■イベント概要
日時: 2025年1月25日(土) 26日(日) 12:00~21:30
場所:東急プラザ銀座6F (銀座駅徒歩1分)
入場料:1800円(税込)
主催:株式会社qutori
会場協力:東急不動産株式会社・東急不動産SCマネジメント株式会社
協賛:有限会社 タキコウ縫製 ハナロロ、株式会社Louvy
チケットページ:https://artsticker.app/events/53858
SNSアカウント:https://www.instagram.com/dot.axus/
※ 無料でシッターにお預けが可能な「託児ブース」、センサリースペースの設置をします。
※「親子スペース」「託児ブース」の利用可能時間は12:00〜19:00を予定しています。
※ 両日とも20:45以降は中央エレベーターからの入退場となります。
実験と共創により生まれるアーティストと
現代アート業界を支える全ての参画者のためのイベント
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Ginza Research.
4つのスピーカーを配置し、銀座の異なるエリアを巡るような体験をします。都市の視覚と音の交わりをテーマに、Miho Yajima氏が撮影した風景写真と、ベルリン在住の音楽家Tatsumi Ryusui氏が現地で採取した音を融合させ、観客に独自の視覚と聴覚の旅を届けます。
Keisuke Sugawara
Tatsumi Ryusui
Miho Yajima -
interpretation.
7つのエリアには、無作為に持ち込まれたアートブックが並びます。参加者はエリアごとに一冊の本を読むことで、自発的に関連する点を発見し、批判を行い、新しい発想を生み出します。アルゴリズムベースで資料を集める潮流とは逆の試みである本企画では、参加者の“レビュー”は共有されず、読んだ本の順番のみが匿名のデータとして公開されます。無意識のうちに他者の感想に影響されやすい現代において、資料選定時の恣意的な誘導を最低限に留め、反対に参加者自身が本と本の関連性を探ることで、自発的な思考を引き出すことを目指します。
メインビジュアル・ロゴ
テーマである「Synchronicity(意味のある偶然の一致)」を表現するため、似ているようで異なる2つのフォントを上下に組み合わせました。このデザインでは、異質な要素が結びつきながらも微妙にズレを感じさせる状態を描き出し、偶然性と調和が共存する美しさを示しています。一方、メインビジュアルでは、多様な表現レイヤーが重なり合いながらシンクロしていくイメージを視覚的に追求しています。
デザイン:小林 紗也
Wallenn | Keisuke Sugawara 2022